皆さんは地図を読むことがありますか?
学校の授業で基本的な見方は習っているはずですが、社会人になってからは紙に記された地図を実践で見る機会はほとんどないですよね。
雑誌などでお店などの場所を紹介するだけの簡易的な地図をみたり、目的地が決まっている前提で、ナビゲーションやアプリなどで最短のルートや目的地周辺の状況を見る程度ではないでしょうか?
目的地を検索すれば自動で道案内をしてくれるナビゲーションが充実している今でも、”ツーリングマップル”は名前の通りライダーがツーリングなどのルートを計画する際に昔から愛用され続けています。
この記事では”ツーリングマップル”がライダーに愛用され続ける理由と魅力について解説します。
ツーリングマップルとは
『ツーリングマップル』は昭文社が発行する、バイクツーリングでの利用に特化した道路地図です。
ライダーからの支持を集め、30年以上発行され続けられています。
ツーリングに携行しやすいA5サイズで、折り返して使いやすい製本の工夫がされています。
タンクバッグの多くは、上面にマップなどを見えるように収納できるスペースを持っていますので必要なページを開いたまま収納することで、道中にルートの確認をすることができます。
道路情報はもちろん充実していますが、ルート確認以外にもおすすめの立ち寄りスポットやグルメなどのツーリングに役立つ情報が得られます。
ツーリングマップルの魅力
ツーリングマップルの魅力は一言にいって、ライダーのツーリングに役立つ情報に特化している点です。
ライダー目線で説明された道路情報

ライダーにとって、ツーリングマップルが長年定番の地図になっている一番の要因は道路情報がライダー目線で描写されている点です。
その道を『バイクで通った際』にどんな道なのかが説明されています。
流れの良い『快走路』であったり、大型バイクでは危険な『狭路』であったり、『走りやすいダート』といった表現になります。
ツーリングは移動自体が楽しみの一つになりますので、気持ちよく走れる道であったり、走っておもしろい道をルートとして選ぶことも重要です。
計画段階でツーリングに適したルートを参考にできるということはナビや通常の地図にはないメリットです。
ライダーが立ち寄りやすい休憩スポットや飲食店の情報

ライダーにとっての長時間の走行は疲労をもたらすのはもちろんですが、ヘルメットや、タイトなウェアの着用によるストレス、気候の寒暖によって集中力は次第になくなっていきます。
思わぬ事故を起こさないためにも適度な休憩は必要です。
ツーリングマップルにはライダーが立ち寄りやすい休憩スポットや飲食店の情報も多く紹介されています。
紹介されるスポットは、ツーリングマップル読者も集まるからか比較的ライダーが集まりやすく、たくさんのバイクが駐車場に立ち並ぶことも珍しくありません。
グルメについても王道的なものだけではなく、地元の珍しいものが紹介されていますので、地図で発見したグルメをツーリングの目的の一つとしてルートに盛り込むことで楽しみが広がります。
つい立ち寄りたくなる名物スポットの紹介
いわゆる観光ガイドに紹介されるようなスポットだけではなく、地元で知れた穴場スポットの紹介も多く記載されています。
ツーリング途中の気分転換やちょっとした寄り道として、知る人ぞ知る景色や体験に触れることができればそのツーリングの満足度は高くなるでしょう。
実走取材やモニターによる情報が紹介されているので、ライダーにおすすめであることはもちろん、バイクで立ち寄りやすい面白いスポットが紹介されています。
エリアごとに分割されて出版されている
ツーリングマップルは日本全国をエリアごとに分割して出版されています。
ツーリングに携行することを前提とされているため、あまりに広いエリアを一冊でカバーするのはきっとかさばりますので分割は必然だと考えられます。
よく行くエリアのものを入手し、他のエリアは必要が生じた際に追加していけばいいでしょう。
ツーリングマップルは基本的に毎年更新されますので、事前に買い揃えても道路情報やおすすめスポットなどの情報が古くなってしまいます。
アプリ「Route!」が利用できる
近年発行されたものであれば、同梱されたコードを使用することでスマホアプリで同範囲の地図を利用できます。
ページめくりが不要で自社位置の表示や走行ログを取ることができます。
ツーリングマップルとツーリングマップRの違い
ツーリングマップルには通常版とは別に『ツーリングマップルR』なるものが存在します。
違いは大きく二つです。
製本の方式が違う
通常版はPUR製本と呼ばれる製本方法で作られています。
見た目は一般的な本の製本に近く、違和感はありませんが、見たいページを折り返して使うことを想定されていて、折り返した際に背表紙から外れないように工夫された製本方式です。
対する『ツーリングマップルR』はいわゆるリングノートのようなリングによる製本方式です。
独立したページがリングで閉じられているので、折り返した際にもフラットになり、本自体の傷みもありません。
本のサイズが違う
通常版とツーリングマップルRでは本のサイズが違います。
通常版がA5サイズにであるのに対して、ツーリングマップルRではB5変型となっており、地図も120%拡大されて見やすくなっています。
見やすいに越したことはないのですが、タンクバッグに入れての使用を考えるのであれば、ツーリングマップルRのサイズが収納できるのかどうかを確認する必要があります。(入らないものが多いです)
まとめ
自動車での移動に比べてツーリングの場合は道中のルートであったり、立ち寄りスポットであったりが重要になります。
走っていて気持ちの良い楽しいルートを選べばライディング自体を楽しむことができますし、自動車よりは疲労が多い分、休憩スポットでもしっかりとした休憩をとれることが大切です。
ツーリングマップルにはライダー目線でこれらの情報が盛り込まれているため、参考にすれば間違いのない選択となる可能性は高いです。
バイクに『危険』とされているルートを選んでしまうリスクも軽減できるでしょう。
ナビゲーション全盛の時代とも言えますが、自らルートを計画する為に地図を見ることでツーリングの道中に楽しみを加え、安全に目的地を目指すことができます。
ライダーのための情報が満載で、毎年更新されているツーリングマップルは、ツーリングの必須アイテムとしてこれからも定番アイテムであり続けるでしょう。