疲れないライディング

introduction

バイクは移動を楽しむことができる乗り物です。

しかし、操縦には体全体を使用し、身体は常に外気にさらされており、徐々に疲労が蓄積されます。

通勤、チョイ乗りで短時間運転するだけでは疲労はしれたものですが、ツーリングなどで遠出する際には疲労は極端に増えてきます。

体の疲れはもとより、手、手首、肩、首、腰、背中などに長時間のストレスがかかり続けることで疲労に加えて痛みが発生し、集中力を保つのが難しくなっていきます。

各部位の傷みについては、いったん発生すると短時間の休憩では治らずに、走り始めるとすぐに痛みがぶり返してしまいます。

この記事ではできるだけ疲労を軽減させるためのライディングのコツについて説明します。

クラッチレバーを握る量と時間を短くする

バイクを操縦する際には頻繁にクラッチレバーを操作することになります。近距離の移動ではクラッチレバーの操作も少なく気になることはありませんが、長時間運転を続けるとだんだんと左手の負担が気になりはじめ、握り続けることが負担になってきます。

疲労を軽減するコツ

  • クラッチレバーを握る量と時間を短くする

シフトチェンジのためにクラッチレバーを握ることは必要です。

しかしながら、完全にレバーを握りこむ必要はないのです。

シフトチェンジのためクラッチを操作してエンジンの回転を切り離しますが、クラッチレバーを握っていって完全に動力が遮断されればそれ以上の操作は無駄です。

握る量の目安についてですが、発進の際には『半クラッチ』を使用して徐々にに動力を伝えます。

そのクラッチがつながり始める位置がクラッチが切れる位置でもあるのです。

調整にもよりますが、およそ握り代の1/3~1/2程度でしょうか。

実際に乗車して試してみるとわかりますが、そもそも必要な分クラッチが切れていなければシフトペダルは動きません。

逆に、クラッチレバーを握る前にシフトレバーにつま先を当てて力を加えておいて、その後にシフトレバーを握ることで必要な量のクラッチが切れた瞬間にシフトレバーが作動し、シフトチェンジが行われます。

後は繰り返し操作することで『必要最低限の握り量』が感覚で分かってくると思います。

クラッチをしっかり切らないと”クラッチを傷めるのでは?”と考えるのもわかります。

しかし、実はクラッチにとっては,ゆっくり操作することで『エンジン側の回転数』と『クラッチ以降の機構の回転数』に差が発生し、それをプレート同士が滑りながら吸収することになります。

クラッチプレートの滑りが多くなるほど消耗は進みます。

人間にやさしい操作方法が、実はバイクにも優しい操作方法でもあるのです。

乗車姿勢を意識する

バイクには様々なジャンル、スタイルがあり、それに乗るライダーの乗車姿勢も様々です。

バイクのジャンルによって走行目的が違い、目的に最適な乗車姿勢になります。

ツアラーやクルーザー、オフロードバイクの場合は上半身が垂直に近く、上半身の負担は少なくなります。

反対に、スーパースポーツなどスポーツ走行を前提としたモデルの場合は、ライダーが前景姿勢なる割合が多く、この前傾姿勢がツーリングの際には『疲労』と『痛み』もたらします。

前傾姿勢を支えることで背中が痛くなることは想像できますが、姿勢を支えるために『肩』、『手首』、『手のひら』にも負担が多くかかり、痛みが現れます。

これらの傷みは小休憩程度では改善せず、乗り出すとすぐに再発する厄介なものです。

疲労を軽減するコツ

  • 姿勢の保持を上半身だけに頼らない

上半身の保持に上半身の筋力に頼るのは当然なのですが、慣れない姿勢の保持であったり、加速、減速の”G”を繰り返し支えるには限界があります。

そこで下半身を利用した体全体での姿勢維持が重要になります。

必要なコツは免許取得の際に教習所などで(耳タコで)教えられた『ニーグリップ』です。

ニーグリップを意識することでバイクに対して上半身が安定し、背筋で吊るようなイメージで支えることができます。

大きな筋力を使うことで手や、肩の負担がかなり軽減されます。

また、減速Gに対しても肩や手だけではなく、下半身での踏ん張りがきくようになります。

常にニーグリップを意識しているとさすがに下半身にも疲労が来ます。

時には上半身中心で支えるなど、負担を分散するように意識することも必要です。

服装、風防で走行風のストレスを軽減する

バイクに乗っている際に風を切って走ることは『気持ちが良い』ことであり、醍醐味の一つであるといえます。

とはいえ、高速道路での低速走行などで走行風を受け続けることもまた、疲労の原因となります。

長距離を走ることを目的としたツアラータイプのバイクには風防として大きなシールドを備えています。

反対にネイキッドバイクなど、一切風を遮るものを備えていない車種もあり、風に対する疲労の差は歴然です。

服装についても普段着のままバイクに乗ると、走行風で服がバタつくことが多く、疲労が進むことはもちろん、集中の妨げにさえなりえます。

これらはライディング専用のウェアを選ぶことで解決できますし、何より安全面からも重要です。

まとめ

本記事ではバイクを乗る際の疲労軽減のためにいくつかのコツを紹介しました。

バイクの醍醐味である『移動』は『疲労』が蓄積されていくと『苦痛』になりかねません。

乗ることが辛くなってしまうと乗る機会も減少し、『趣味』として成立しなくなってしまします。

しかしこれらの『疲労』は簡単な対策やコツによって軽減することができます。

本記事で紹介いたしましたことを実践し、より長くバイクを趣味としていただければ幸いです。

タイトルとURLをコピーしました